
TOPページ > 不動産競売の流れ
不動産競売を利用するのであれば、何よりもまず資金の準備が必要です。通常、不動産を購入する場合でも手付金など契約の段階で支払わなければなりませんが、不動産競売も保証金を前払いしなければなりません。民事執行法の改正により、住宅ローンを利用することができるようになりました。
住宅ローンを利用する場合、まず裁判所に利用できるかどうか確認します。次に銀行など金融機関にも住宅ローンを利用できるかどうか確認します。競売不動産に融資してくれる金融機関は非常に少ないのが現状ですので、参加する前に資金面について完璧な状態を用意する必要があります。
「競売不動産の探し方」でも言いましたが、裁判所のホームページや新聞、不動産情報誌などで競売不動産の情報を入手することができます。いつどんな物件が掲載されるかわからないので、良い物件を見つけたいのであれば、随時最新情報をチェックするようにしなければなりません。
気に入った物件が見つかったら、裁判所もしくはホームページから、事件記録簿(物件目録や公告時期、3点セットの資料)をよく確認します。もちろん、内覧制度などを利用して、現地へ行って自分の目でチェックすることも忘れてはいけません。
入札する物件が決定したら、入札するための準備をします。まず「入札書」です。物件1つにつき、入札書1枚が必要になります。また、入札書1枚につき、入札用封筒が1通必要ですので、あまり考えられませんが、複数入札したい場合は、その物件数分の入札書と入札用封筒が必要になります。更に、個人であれば住民票など住所が証明できる書類、法人であれば会社謄本など代表者を証明する書類が必要です。
次に保証金の支払です。裁判所指定の口座へ、保証金として競売物件の基準価格の2割の金額を振り込みます。裁判所から「入札保証金振込証明書」を用意し、必要事項に記入します。入札保証金振込証明書には、落札できなかった場合に返還する保証金の振込み先を記入する欄がありますので、忘れてはいけません。更に振込み明細書を貼り付けて完成です。最後に入札金額を決め、先の2つの書類は別々にして郵送もしくは直接裁判所へ提出します。
期間内に入札手続が完了したら、後は開札日を待つのみです。開札の結果は、裁判所に行かなくても開札速報の情報を掲載しているホームページや、裁判所がFAXで知らせてくれるなどありますが、早く結果が知りたければ直接行くのが一番です。落札できなかった場合、入札前に支払った保証金は、入札保証金振込証明書に記載した口座に返還されます。
また、入札者がいない場合、裁判書は特別売却の処理に入ります。裁判所が、競売不動産の価格などを再設定し、新たに購入希望者の募集を始めます。特別売却期間内で、最初に申し出た人に物件を売却します。
落札できると、「最高価買受申出人」となります。大喜びしたいところですが、すぐに自分のものということにはなりません。開札日から最大で1週間、裁判書は最高価買受申出人を調べます。特に問題がなければ、ようやく売却許可決定が出て「買受人」となります。
また、この期間中に利害関係者より執行抗告(異議申し立て)があると、更に確定に時間がかかってしまうことがあります。執行抗告は裁判所で審議されるため、その間手続が完全に止まってしまうからです。内容によっては、最大で2ヶ月弱待たされてしまうことがあるようです。
売却許可決定が確定すると、裁判所から残りの代金の支払い期日と方法について、手続の説明や納付書(代金納付期限通知書)が届きます。その指示に従って代金の支払いを行います。支払・手続期限は、一般的に1ヶ月ほどあるようですので、比較的余裕を持って処理できると思います。
代金の支払い手続が完了した時点で、裁判書は所有権の移転登記と抵当権等抹消の(嘱託)登記を行います。また、手続中に代金の支払いとは別に、登録免許税と言われる税金を納めなくてはなりません。その税額を計算をするのに、市区町村から「評価証明書」というものを取得します。計算方法は、代金納付期限通知書に説明があるのですが、裁判所によっては必要書類を渡せば計算してくれる場合もあるようです。
以上の工程を経ると、ようやく物件が引き渡されます。物件の引渡しは、不動産競売において一番のポイントになるところです。以前は、占有屋と呼ばれる金銭目的でわざと居座る人たちもあったそうですが、現状は十分に法整備され、警察の取り締まりも可能であるため特に心配は要りません。
更に、法的手段として「引渡し命令の申立て」もありますので、確実に引渡しを受けることができます。繰り返しになりますが、引き渡された後で物件の欠陥などを見つけても、裁判所に責任を問うことはできません。必要であれば、これらは全て自己負担で修復しなければなりません。
物件に占有者(住居者)がいる場合、明け渡し交渉が最後の大仕事になります。最後に書きましたが、不動産業者などは、場合によって開札期日より交渉を始めることもあるそうです。先にもありましたが、法律的にはこちらに正式な所有権がありますので、引渡し命令の申し立ての手続をして立ち退かせます。引渡し命令が占有者(居住者)に送達されると、1週間で確定になります。確定になると、執行官と執行補助者(家具など搬出する人)による強制執行に入ります。
強制執行の申立ても手続とお金が必要になります。申立てが受理されると、2週間以内で執行官と執行補助者が占有者へ、いついつまでに立ち退くよう催告に行きます。催告後に改めて話し合いに行くと、今まで話し合いにならなかった占有者でも立ち退いてくれる可能性が高くなります。それでも動かない場合は、強制執行が行われます。